九月十九日からブラジル・イグアスで開かれるカヌースラローム世界選手権に、木立彰さん(37)=青森・豊産管理=が日本代表チームのコーチとして参加する。来年の北京五輪の出場枠の懸かった大一番。木立コーチは「選手たちが戦いやすいように、裏方として精いっぱいサポートしたい」と意気込み、「少なくとも2種目で出場枠を勝ち取りたい」と誓った。
大会には三十二カ国が参加。カヤックシングル、カナディアンシングルなど4種目が行われ、それぞれ予選、準決勝を経て、決勝に進出すると北京五輪出場枠が当該国に与えられる。日本からは十一選手が出場。カヤックシングルのホープ、羽根田卓也選手(愛知)らに期待がかかる。
木立コーチは青森市出身。弘前工時代にカヌーを始め、中大卒業後に国内トップ選手に成長。一九九四年の広島アジア大会に出場。九七年大阪なみはや国体カヤックシングル二冠など第一線で活躍した。現在は日本カヌー連盟の強化委員、日本オリンピック委員会(JOC)の強化スタッフ。その豊富な経験を買われ、北京五輪に導く大役を任された。
世界選手権の会場は「イグアスの滝」で有名な、アルゼンチンとの国境近くにある森林地帯。木立コーチは「地形を巧みに利用した人工コースだが、水面と川底の流れが異なり、技術より漕力や体力が必要」と指摘。「日本チームも初めての選手が多いのでコースへの順応性が問われる。ここで実力を発揮できないようでは、五輪どころではない」とした上で「私もコースの情報を的確につかみ、『チームとして五輪枠を取ろう』と燃える選手たちのパイプ役に徹する」と決意を語った。
一方で「現場で選手と一緒に『動けるコーチ』として選ばれたと思っている」と話し、選手と年齢が近く、感覚的、実戦的なアドバイスを送る役割を自覚。「世界の一流のコーチたちを見るチャンスでもある。私も勉強したい」と秘める思いもある。
前回のアテネ五輪では日本から出場は一人だけ。持ち前の明るい性格と経験で難コースに挑む木立コーチの手腕に期待したい。
【東奥日報】